「うちは対象なのか」「何人雇う義務があるのか」。障害者雇用の入口で、まずここが分からず止まります。ただ、人数が分かっても次に進めるわけではありません。数を数える話と、実際に働いてもらう話は、別の作業だからです。
結論:数合わせではなく、職務の切り出しから始まる
障害者雇用は「あと何人足りないか」を計算する仕事ではなく、「どの仕事を担ってもらうか」を決める仕事です。厚生労働省は、雇用する労働者の2.7%に相当する障害者を雇用することを義務付けているとしています※1。この率は令和8年7月から適用され、あわせて対象となる民間企業の範囲が、常時雇用する労働者37.5人以上に変更されました※2※3。従業員40名前後の企業が、この改正ではじめて対象事業主になっています。
「1人採用すればよい」と考えても、そこから先が進みません。担ってもらう職務が決まっていない状態では、求人に条件を書けないからです。順序は①自社が対象かを確認→②何人かを計算→③既存業務から職務を切り出す→④支援機関に相談しながら募集→⑤本人と話し合って配慮を決める。本記事はこの順で整理します。
令和7年6月1日現在で、民間企業に雇用されている障害者の数は70.5万人、実雇用率は2.41%、障害者雇用率達成企業割合は46.0%と公表されています※5。ただし率が2.7%に上がった以上、これまで達成していた企業も計算し直す必要があります。
制度の仕組みと、自社が対象事業主かの確認
法定雇用率はすべての事業主に従業員の一定割合以上の障害者を雇用することを義務付ける仕組み(障害者雇用率制度)で※5、一般労働者と同じ水準で常用労働者となり得る機会を確保するための制度です※4。令和5年4月からの新たな法定雇用率は2.7%とされたうえで、計画的な対応が可能となるよう段階的に引き上げられてきたものです※5。
| 令和5年度 | 令和6年4月 | 令和8年7月 | |
|---|---|---|---|
| 民間企業の法定雇用率 | 2.3% | 2.5% | 2.7% |
| 対象事業主の範囲 | 43.5人以上 | 40.0人以上 | 37.5人以上 |
| 国、地方公共団体など | 令和8年6月まで2.8% | 3.0% | |
| 都道府県などの教育委員会 | 令和8年6月まで2.7% | 2.9% | |
率が上がると、1人以上の雇用義務が生じる企業規模の下限も下がります※3。
確認すべきは「常時雇用する労働者」が何人いるかで、在籍者数ではありません。1週間の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用される見込みがある、または1年を超えて雇用されている労働者をいい、うち週20時間以上30時間未満は短時間労働者です。パートやアルバイトも要件に当てはまれば含まれます※5。「正社員だけ数えて35人だから対象外」という判断が起きやすいところです。実雇用率の算定では短時間労働者は原則1人を0.5人としてカウントします※4。対象範囲が「37.5人以上」と半端なのは、この0.5人単位の扱いがあるためです。
この制度は「雇えばそれで終わり」ではありません。障害者雇用促進法には雇用義務のほかに事業主に対する差別の禁止と、合理的配慮の提供義務が規定され、内容は障害者差別禁止指針と合理的配慮指針に記載されています※5※9。人数を満たしていても、これらの義務は別に存在します。
何人雇う義務があるか — 算定・除外率・カウント
雇用義務数は、常時雇用している労働者の数に法定雇用率を掛け、小数点以下を切り捨てるという考え方です。150人の企業なら令和8年6月までは3人以上、令和8年7月からは「150人 × 2.7% = 4.05人」で4人以上という例が示されています※5。率が0.2ポイント上がっただけで義務数が1人増えます。
雇用率の対象になる障害者は、身体障害者手帳1〜6級に該当する方、児童相談所などで知的障害者と判定された方、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とされています※5。この範囲は差別禁止・合理的配慮の対象範囲とは異なります。
除外率制度もあります。令和7年4月1日から各除外率設定業種ごとに10ポイント引き下げられ、除外率が10%以下であった業種は制度の対象外になりました。現行は5%=非鉄金属第一次製錬・精製業、貨物運送取扱業/10%=建設業、鉄鋼業、道路貨物運送業、郵便業/15%=港湾運送業、警備業/20%=鉄道業、医療業、高等教育機関、介護老人保健施設、介護医療院/25%=林業/30%=金属鉱業、児童福祉事業/35%=特別支援学校/40%=石炭・亜炭鉱業/45%=道路旅客運送業、小学校/50%=幼稚園、幼保連携型認定こども園/70%=船舶運航等※3。該当性と計算は所轄のハローワークへ。
雇用した障害者を「何人」と数えるかは週所定労働時間と障害の区分に応じて算定します※4※5。
| 週所定労働時間 | 30時間以上 | 20時間以上30時間未満 | 10時間以上20時間未満 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者/知的障害者 | 1 | 0.5 | − |
| 身体障害者(重度)/知的障害者(重度) | 2 | 1 | 0.5 |
| 精神障害者 | 1 | 1(特例) | 0.5 |
重度身体障害者・重度知的障害者は1人を2人としてカウント(短時間の場合は1人)します※4。週20時間以上30時間未満の精神障害者は当分の間雇入れからの期間等に関係なく1カウント、令和6年4月以降は週10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者を0.5カウントで算定できます※3※4。「週20時間以上でないと雇用率に反映されない」という前提は変わっています。ただし数え方の話で、働きやすい時間設定は本人との話し合いで決めます。なお差別の禁止・合理的配慮の対象となる障害者は、障害者手帳の有無や週所定労働時間による限定をしていないとされています※6。
納付金・調整金という仕組みの位置づけ
「未達成だと罰金を取られる」という理解は正確ではありません。納付金の徴収は、常用雇用労働者100人超の事業主に限られます。障害者雇用納付金制度は、事業主の社会連帯の責務を果たすため、法定雇用率を満たしていない事業主から納付金を徴収する一方、障害者を多く雇用している事業主に対しては調整金、報奨金や各種の助成金を支給する仕組みで、制裁ではなく事業主間で負担を調整する位置づけです※5。
| 対象 | 金額の目安 | |
|---|---|---|
| 納付金 | 常用雇用労働者100人超で法定雇用率未達成の事業主 | 不足1人あたり月額5万円 |
| 調整金 | 常用雇用労働者100人超で法定雇用率達成の事業主 | 超過1人あたり月額2万9千円 |
| 報奨金 | 常用雇用労働者100人以下の事業主(別途要件あり) | 超過1人あたり月額2万1千円 |
調整金・報奨金は一定の人数を超える場合には金額を調整するとされています。従業員40名前後の企業にとっての要点は2つです。納付金は課されませんが雇用義務そのものは免除されず、ハローワークによる雇用率達成指導の対象になります。そして報奨金は100人以下向けの制度で、要件を満たせば義務数を超えて雇用した分が支給対象になり得ます※5。なお令和8年度分の納付金は、令和8年6月以前は2.5%、令和8年7月以降は2.7%で算定し、申告期間は令和9年4月1日から同年5月17日までとされています※3。
まず職務を切り出す — 既存業務からの分解
担ってもらう職務が決まらないと、求人が書けません。職務は既存の業務から取り出すものです。厚生労働省は進め方として①理解を深める→②ハローワークなど支援機関へ相談→③配置部署や従事する職務を選定→④受入れ体制を整え労働条件などを決める→⑤採用活動と職場定着の支援という段階を示しています※5。手が止まるのは③です。
手順1:部署ごとに業務を書き出す。「誰かがやっているが、その人でなくてもできる作業」を挙げてもらいます。データ入力、書類のチェック、伝票の取りまとめ、備品管理、郵便物の仕分けなど。粒度は細かく、「経理業務」ではなく「請求書の内容とシステム入力の突合」まで分解します。手順2:性質で分ける。毎日の定型作業か月末集中か、1人で進める作業か人とのやりとりが多いか。手順3:1人分の量になるか確かめる。1つの部署では足りないことが多く、複数部署から切り出した作業を組み合わせる、一定期間ごとに担当部署を替えるといった形が考えられます※8。手順4:指導する人を決める。案内の段階4に「指導担当者の選任」が挙げられ※5、合理的配慮指針の別表でも障害区分を問わず「業務指導や相談に関し、担当者を定めること」が採用後の事例として繰り返し挙げられています※7。
採用前に確かめる方法もあります。職場実習は期間1週間〜1か月、日数3日〜10日、1日3時間以上(所定労働時間を超えない範囲)。障害者トライアル雇用はハローワーク等の紹介により試行的・段階的に雇い入れる仕組みで、原則3か月(精神障害者は原則6〜12か月)です※5。
募集・採用の進め方と、相談できる窓口
自社だけで抱え込まないことが、結果的にいちばん早く進みます。地域のハローワークには障害者専門の職業相談・紹介窓口があり、多くの障害者が求職登録しています。具体的な労働条件が決まっている場合は求人票を出すよう案内されており※5、決まっていない段階では相談から始めてよいということです。
| 窓口 | 主な内容※5 |
|---|---|
| ハローワーク | 雇用率達成指導、障害者雇用に関する相談、障害者求人・トライアル求人の受理、障害者の紹介、助成金の案内 |
| 地域障害者職業センター | 障害特性に応じた職務の相談、雇い入れ計画や職場配置・職務設計・配慮や業務の指導方法についての助言、従業員への研修、ジョブコーチ派遣 |
| 障害者就業・生活支援センター | 就業面と生活面の一体的な相談・支援。事業主からの雇用管理についての相談も受け付け、企業訪問による支援も実施(全国340か所) |
募集・採用段階の合理的配慮では、障害者からの申出を提供の契機としているとされています。どのような障害特性の応募者があるか分からず、どのような配慮を行えばよいのか不明確なためです。本人の意思表示が困難な場合は、本人の意向を踏まえた第三者が申し出ることも可能です。事業主側は、可能な限り十分な募集期間を設けること、必要な範囲内で質問の趣旨及び必要性を明らかにしたうえで質問すること、申出があったことをもって不利益な取扱いを招くこととならないようにすることが示されています※6。別表では「面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること」も挙げられています※7。
差別の禁止 — 採用・配置・昇進で気をつけること
障害者雇用促進法には差別の禁止が規定され、内容は障害者差別禁止指針に記載されています(平成28年4月施行)※5※9。禁止されるのは、雇用分野のあらゆる局面において、障害者であることを理由として、障害者を排除すること/不利な条件を付すこと/障害者でない者を優先することです。「あらゆる局面」には、募集及び採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種の変更、雇用形態の変更、退職の勧奨、定年、解雇、労働契約の更新が挙げられています※6。
| 場面 | 差別になり得る例※6 |
|---|---|
| 募集及び採用 | 単に障害者だからという理由で応募を拒否する/障害者に対してのみ特定の資格を応募要件とする/労働能力等に基づかず障害者でない者から順番に採用する |
| 賃金 | 労働能力等に基づかず、障害者に対してのみ賞与を支給しない/昇給に当たって障害者に対してのみ試験を課す |
| 配置 | 労働能力等に基づかず、単に障害者だからという理由で特定の仕事を割り当てる(合理的配慮として障害特性や労働能力、適性等を考慮する場合を除く) |
| 昇進・教育訓練 | 労働能力等に基づかず障害者を昇進の対象としない/障害者でない者は教育訓練の対象としているのに障害者は対象としない |
| 定年・契約更新 | 障害者でない者の定年は65歳とする一方で障害者の定年は60歳とする/労働能力等に基づかず障害者に対してのみ更新しない |
一方、異なる取扱いのすべてが差別に当たるわけではありません。①積極的差別是正措置として障害者を有利に取り扱うこと(障害者のみを対象とする求人など)、②合理的配慮を提供し労働能力等を適正に評価した結果として異なる取扱いをすること、③合理的配慮に係る措置を講ずること、④雇用管理上必要な範囲でプライバシーに配慮しつつ障害の状況等を確認すること、は該当しないとされています※6。
つまずきやすい論点が3つあります。「心身ともに健全(健康)な方を募集」という表現は、それだけでただちに差別に該当するものではないとしつつ、意図や認識にかかわらず、障害や難病のある方が一律に排除されているかのような印象を与えるおそれがあるとされます。応募要件としての資格は業務遂行上特に必要と認められる場合は差別に該当せず、「特に必要」とは客観的にみて真に必要である場合をいいます。採用しないこと自体は差別ではありません。均等な機会を与えたうえで能力や適性を判断した結果に基づき採用しなかったとしても差別には当たらないとされています。なお罰則規定は設けられておらず、助言・指導・勧告といった行政指導で雇用管理の改善を促す仕組みです※6。
合理的配慮 — 話し合って決め、過重な負担は手順を踏んで断る
合理的配慮とは均等な機会や待遇の確保、能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための必要な措置で、提供は平成28年4月から法的義務です※6。具体的な措置は障害者と事業主とでよく話し合ったうえで決める必要があるとされています※5。
| 募集及び採用時 | 採用後 | |
|---|---|---|
| ①きっかけ | 障害者から、支障となっている事情と改善に必要な措置を申し出る | 事業主から、職場で支障となっている事情の有無を確認する |
| ②話し合い | 事情が確認された場合、どのような措置を講ずるかについて話合いを行う | |
| ③確定と説明 | 講ずる措置を確定し、内容及び理由(過重な負担にあたる場合はその旨と理由)を障害者に説明する | |
採用後は事業主の側から確認する点が抜けやすく、「本人が言ってこないから不要」とはなりません。確認は年一回の労働契約の更新や健康診断に合わせて、また障害の状態が悪化した場合や職場の状況が変化した場合が考えられます。申出がない場合は一斉メール送信、書類の配布、社内報等の画一的な手段により申出を呼びかけることが基本とされ、呼びかけを行っていれば「必要な注意」を払っているものと考えられると説明されています※6。
合理的配慮指針の別表には措置の例が示されていますが、別表自身が個別性が高く、記載されている事例はあくまでも例示であることを明記しています※7。対応表ではなく話し合いの材料です。
| 障害区分 | 採用後の例(別表からの抜粋)※7 |
|---|---|
| 視覚障害 | 拡大文字、音声ソフト等の活用/机等の配置、危険箇所を事前に確認する |
| 聴覚・言語障害 | 業務指示・連絡に筆談やメール等を利用する/危険の発生等を視覚で確認できるようにする |
| 肢体不自由 | 机の高さを調節する等の工夫/スロープ、手すり等を設置する |
| 内部障害・難病 | 本人の負担の程度に応じ、業務量等を調整する |
| 知的障害 | 習熟度に応じて業務量を徐々に増やす/図等を活用したマニュアル、業務指示は一つずつ |
| 精神障害 | 優先順位や目標を明確にし指示を一つずつ/静かな場所で休憩できるようにする |
| 発達障害 | スケジュールを明確にする/サングラスの着用や耳栓の使用を認める |
| 高次脳機能障害 | 仕事内容等をメモにする、写真や図を多用して作業手順を示す |
共通する項目もあります。「業務指導や相談に関し、担当者を定めること」「出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること」「本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に障害の内容や必要な配慮等を説明すること」の3つは、ほぼすべての障害区分に挙げられています※7。最初に整えるならこの3つです。
提供義務は、その措置が「過重な負担」となる場合は除かれます※5。ただし「負担が大きいから何もしない」とはなりません。①事業活動への影響の程度、②機器・人材の確保や設備整備の実現困難度、③費用・負担の程度、④企業の規模、⑤企業の財務状況、⑥公的支援の有無、の6要素を勘案し個別の措置ごとに判断します。⑥は公的支援を利用できる場合はその利用を前提に判断するという意味です。断るときは①話し合い意向を尊重→②過重な負担にならない範囲で何らかの措置→③その旨と理由を説明。話合いに応じない等、手続に反する事実がある場合は都道府県労働局長による助言・指導・勧告の対象です※6。
受け入れ体制・定着支援と、支援機関・助成制度
相談体制として、①相談窓口を定めて周知し担当者が適切に対応できるようにすること、②相談時は支障となっている事情を迅速に確認し手続を適正に行うこと、③相談者のプライバシーを保護すること、④相談を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め周知・啓発すること、の4つが必要です。窓口は必ず事業所ごとに設置しなければならないものではなく、既存窓口の活用や外部委託でも対応できます※6。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 雇用状況報告 | 従業員37.5人以上の事業主は、毎年6月1日現在の雇用状況をハローワークに報告する義務※10 |
| 障害者職業生活相談員 | 障害者を5人以上雇用する事業所では選任し、職業生活の相談・指導を行わせる※10 |
| 障害者雇用推進者 | 選任は努力義務※3 |
| 解雇の届出 | 障害者を解雇しようとするときは速やかにハローワークへ届け出る※10 |
あわせて受け入れる部署の管理職に何を伝えるか——指示の出し方、確認の頻度、相談があったときの動き方——を決めておいてください(AI時代に管理職に求められる役割の変化も参考になります)。
採用より難しいのが定着です。ジョブコーチ(職場適応援助者)は、障害者に作業の進め方などを助言するとともに、事業主に対しても、本人が力を発揮しやすい作業の提案や、障害特性を踏まえた仕事の教え方などをアドバイスするとされています。地域障害者職業センターの配置型、社会福祉法人などの訪問型、自社の従業員が養成研修を受ける企業在籍型(助成金あり)があり、標準的な流れは集中支援(週3〜4日訪問)→移行支援(週1〜2日訪問)→フォローアップ、支援期間は1〜8か月(標準2〜4か月)です。障害者就業・生活支援センター(全国340か所)は就業面と生活面の一体的な支援を行い、事業主からの雇用管理の相談も受け付けます※5。企業が踏み込むべきでない領域を専門の窓口が担う役割分担ができます。3つ目は定期的に確認する場で、年一回の労働契約の更新や健康診断に合わせて設けることが考えられます※6。好事例集も対話を重ねながら能力を発揮できる職場環境を構築するという考え方で貫かれています※8。
制度は多く全体像が見えにくいため、まずハローワークに相談し、必要な窓口に振り分けてもらうのが確実です。障害者雇用相談援助事業では、認定事業者から原則無料で、雇入れや雇用継続に必要な一連の雇用管理に関する相談援助を受けることができるとされ、支援対象に法定雇用率未達成企業や中小企業等が挙げられています※3。高齢・障害・求職者雇用支援機構は、業種や障害種別・規模で検索できる障害者雇用事例リファレンスサービス、就労支援機器の無料貸出(原則6か月以内)、障害者雇用支援人材ネットワーク事業などを提供し※5※11、「はじめての障害者雇用〜事業主のためのQ&A〜」等のハンドブックも配信しています※12。
| 場面 | 助成金※5 |
|---|---|
| 試行雇用 | トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース/障害者短時間トライアルコース=直ちに週20時間以上が難しい精神障害者・発達障害者について3〜12か月かけて20時間以上を目指す場合) |
| 継続雇用 | 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース/発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース) |
| 定着・環境整備 | キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)/障害者作業施設設置等助成金/障害者介助等助成金/職場適応援助者助成金/重度障害者等通勤対策助成金 |
よくある質問
令和8年7月から、対象事業主の範囲は常時雇用する労働者37.5人以上に変更されました。「常時雇用する労働者」は在籍者数ではなく、週の所定労働時間が20時間以上で1年を超えて雇用される見込みがある労働者を指し、短時間労働者は原則0.5人としてカウントします。境界線上では所轄のハローワークにご確認ください。
常時雇用している労働者の数に法定雇用率を掛け、小数点以下を切り捨てます。150人の企業なら「150人 × 2.7% = 4.05人」で4人以上という例が示されています。除外率設定業種では扱いが異なるため、計算はハローワークにご確認ください。
納付金は罰金ではなく事業主間で負担を調整する仕組みで、徴収の対象は常用雇用労働者100人超の事業主に限られます。ただし雇用義務は免除されず、ハローワークによる雇用率達成指導の対象になります。
令和6年4月以降、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上0.5カウントで算定できるようになりました。ただし数え方の話で、働きやすい時間設定は本人との話し合いで決めます。
障害者と事業主とでよく話し合ったうえで決めます。募集・採用時は本人からの申出が契機ですが、採用後は事業主から支障の有無を確認し、話合いを行い、講ずる措置とその理由を説明する手続きが示されています。
差別禁止・合理的配慮の対象となる障害者は、手帳の有無や週所定労働時間等による限定をしていないとされ、中途障害の方も含まれます。雇用率のカウント対象かどうかとは別の判断です。
過重な負担に該当する場合、希望通りの措置を講ずる義務はありません。ただし意向を尊重した上で、過重な負担にならない範囲で何らかの措置を講ずる必要があり、その旨と理由の説明も手続きに含まれます。
ジョブコーチによる支援、障害者就業・生活支援センターの就業面と生活面の一体的な支援、定期的に確認する場の3つが使えます。ジョブコーチは事業主にも作業の提案や教え方を助言します。
職場実習(1週間〜1か月、3日〜10日、1日3時間以上)と、障害者トライアル雇用(原則3か月、精神障害者は原則6〜12か月)があり、トライアル雇用助成金の対象にもなり得ます。
障害者を5人以上雇用する事業所では障害者職業生活相談員の選任が必要とされ、障害者雇用推進者の選任は努力義務です。別表では障害区分を問わず「業務指導や相談に関し、担当者を定めること」も挙げられています。
従業員37.5人以上の事業主は、毎年6月1日現在の障害者の雇用に関する状況をハローワークに報告する義務があります。解雇しようとするときは速やかに届け出る必要もあります。
ハローワークです。条件が決まっていない段階でも相談から始められます。障害者雇用相談援助事業では、認定事業者から原則無料で相談援助を受けられるとされています。
参考文献
- ※1 障害者雇用対策 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※2 令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます 厚生労働省 大分労働局(2026.08.02確認)
- ※3 障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について(リーフレット) 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク(2026.08.02確認)
- ※4 障害者雇用率制度について 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※5 障害者雇用のご案内 〜共に働くを当たり前に〜 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※6 障害者雇用促進法に基づく障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第三版】 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※7 合理的配慮指針(平成27年厚生労働省告示第117号)別表 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※8 障害者への合理的配慮好事例集(令和7年9月) 厚生労働省 職業安定局障害者雇用対策課(2026.08.02確認)
- ※9 雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※10 事業主の方へ(障害者雇用) 厚生労働省(2026.08.02確認)
- ※11 事業主の方へ(障害者雇用支援) 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(2026.08.02確認)
- ※12 障害者雇用ハンドブック・マニュアル 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(2026.08.02確認)
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