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環境配慮をうたう表示のルール — グリーンウォッシュと言われないために

最終更新日 2026.06.26

監修:株式会社UNPLACED

「環境にやさしい」「自然に還る」——環境配慮をうたう言葉は、書きやすいぶん、根拠が置き去りになりがちです。環境表示には環境省のガイドラインと景品表示法という2つのものさしがあり、実際に措置命令が出た事例もあります。素材そのものの分類ではなく、それをどう書くか。使える表現、必要な根拠、サプライヤーへの確認、社内のチェック体制、訂正が必要になったときの対応までを、一次資料で確認できる範囲に絞って整理します。

結論:先に「言えること」を確定させ、その範囲でだけ書く

環境配慮をうたう表示でつまずくのは、たいてい順序の問題です。先に文言を決めて、あとから根拠を探す。この順序でつくると、根拠が揃わないまま公開日が来て、そのまま世に出ます。

参照すべきものは2つあります。ひとつは環境省の「環境表示ガイドライン」(令和8年3月改定)で、主に自己宣言により環境表示を行う事業者及び事業者団体を主たる対象に、望ましい環境表示のあり方を整理したものです※1。もうひとつは景品表示法で、商品・サービスの内容について実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示を、優良誤認表示として禁じています※2

やるべきことは複雑ではありません。手元にある根拠資料で言い切れる範囲を先に確定させ、その範囲を超えない文言だけを書く。この順序にすれば、公開直前に資料を探しまわる事態は起きません。書けない部分を空欄のまま出すほうが、埋めて出すより安全です。

この記事の範囲
素材そのものの分類(バイオマス由来か生分解性か、樹脂の種類、試験規格や認証の基準値)はバイオプラスチックの種類と選び方で扱っています。本記事は「それをどう書くか」だけを扱います。
なお、個別の表示が法令に違反するかどうかは、事案ごとの判断になります※3。迷う場合は、消費者庁の相談窓口や弁護士等の専門家に確認してください。

環境訴求が載っている場所は、思っているより広い

「表示」と聞くと商品パッケージを思い浮かべますが、範囲はもっと広いです。消費者庁の不実証広告規制に関する指針は、景品表示法上の表示について、商品本体による表示(容器・包装を含む)、店頭における表示、チラシ広告、新聞・雑誌による広告だけではなく、テレビやインターネットによる広告までも含むとしています※3

さらに環境表示ガイドラインは、景品表示法の対象となる環境表示に加え、商品又は役務の取引に直接的な関係のない環境表示(事業活動、イメージ広告、企業姿勢等)も適用範囲に含めるとしています※1。取引に直接つながらない発信も、範囲の内側です。

媒体載っているもの見落とされやすい点
商品パッケージ・商品本体素材の表示、マーク、キャッチコピー増刷のたびに文言が変わり、版の管理が崩れる
販促物(チラシ・カタログ・POP)素材の特長、他素材との比較制作会社が独自に足した表現が混ざる
自社サイト・LP商品ページ、特集ページ過去に作ったページが更新されずに残る
提案資料・見積書の添付営業が個別に作る説明資料誰のチェックも通らずに社外へ出る
プレスリリース新素材の採用、切り替えの発表配信後に直しても、転載先には残る
会社案内・サステナビリティのページ企業姿勢、イメージ広告取引に直接関係しなくても適用範囲に入る
展示会のパネル・ノベルティ会期中だけの掲示物記録が残らず、あとから検証できない
ブランド名・製品名「エコ〜」「グリーン〜」を含む名称名称そのものが環境主張になり得る

最後の行について、環境表示ガイドラインは、銘柄名やブランド名に環境表示を使用する場合は単独使用を避け、どのような環境側面について効果を持つかを限定する補足説明を付すことを求めています※1

この一覧を作ること自体が、最初の作業になります。自社の環境訴求がいま何か所に出ているかを把握できていないと、修正が必要になったときに必ず漏れます。

2つのものさし — 環境表示ガイドラインと景品表示法

2つの資料は役割が違います。混ぜて考えると判断がぶれるので、分けて置きます。

環境表示ガイドライン(環境省)※1景品表示法(消費者庁)※2
性格望ましい環境表示のあり方を整理したもの法律。違反は措置命令等の対象になる
基準の中身ISO/JIS Q 14021 の要求事項に準拠しているか一般消費者に著しく優良と認識されるか
適用範囲取引に直接関係しない企業姿勢・イメージ広告も含む顧客を誘引する手段として行う表示
実務での使い方書くときのチェックリストとして使う社外に出してよいかの最終判断に使う

環境表示ガイドラインは、自己宣言による環境表示について、国際規格であるISO/JIS Q 14021(自己宣言による環境主張)に準拠することを求めています※1。この規格は第三者による認証を必要とせず、製造業者・輸入業者・流通業者・小売業者など、環境主張から利益を得ることができるすべての者が行える主張を対象としています。裏を返せば、主張内容はすべて事業者の判断に委ねられているため、環境情報の信頼性及び透明性の確保が重要になる、という整理です※1

そして環境表示ガイドラインは、ISO/JIS Q 14021 の要求事項を5つの基本項目にまとめています※1

  • あいまいな表現や環境主張は行わないこと
  • 環境主張の内容に説明文を付けること
  • 製品のライフサイクル全体を考慮すること
  • 環境主張の検証に必要なデータ及び評価方法が提供可能で、情報にアクセスが可能であること
  • 製品又は工程における比較主張はLCA評価、数値等により適切になされていること

この5つは、そのまま社内チェックの見出しに使えます。以降の節は、この5項目を実務に落としたものと考えてください。

環境配慮の表示を表すイメージ。白衣の袖の両手が金属製ノギスで白い小さな角形の部品をはさんで測っている

単独では使えない言葉があります

もっとも効くのが基本項目①です。ISO/JIS Q 14021 はあいまいな表現によって環境への配慮を大まかにほのめかす主張をしてはならないとしており、環境表示ガイドラインは使用できない表現として次を例示しています※1

自己宣言による環境主張に使用できない表現(例示)
環境に安全/環境にやさしい/地球にやさしい/無公害/グリーン/自然にやさしい/オゾンにやさしい/持続可能/〇〇を含まない(特定の物質の量が、広く認められた微量の混入物質又はバックグラウンドレベルを超えない場合にのみ使用可)
これは例示であり、これらに相当する表現も使用を避ける必要があるとされています※1

ここで大事なのは、完全な禁止ではなく「単独では使えない」という点です。ガイドラインは、あいまいな表現や環境主張は行わないか、行う場合は単独では行わず、必ず合理的な説明文を付けることが求められる、としています※1。「環境にやさしい素材です」で止めずに、何がどう改善されるのかを具体的に添えれば、要求事項の側に寄せられます。

見落とされやすいのが「持続可能」です。ガイドラインが示すチェックリストには「持続可能であるとの主張をしていない」という項目が置かれています※1。サステナビリティを掲げる文書ほどこの語を単独で使いがちなので、点検の優先度は高めです。

「〇〇を含まない」も条件つきです。ISO/JIS Q 14021 は、その分類の製品では決して含まれていることのない成分又は特性が存在しないことを根拠として、主張を行ってはならないとしています※1。もともと入っていないものを「不使用」とうたうと、その製品が特別に優れているかのような印象を与えるためです。ガイドラインは、法律で使用が禁止された物質を含んでいないことを主張する場合には、消費者の法律知識を考慮して、使用が禁止されていることについても併せて表示する必要があるとしています※1

説明文をどう付けるか — 自己宣言による環境主張の要求事項

基本項目②は説明文です。ISO/JIS Q 14021 は「自己宣言による環境主張は、主張だけでは誤解を招くおそれがある場合、説明文を付けなければならない」とし、説明文なしに主張してよいのは、予測できるすべての状況において限定条件なしに有効である場合に限るとしています※1

環境主張と説明文には、a〜rの18項目の要求事項が定められています※1。全部を覚える必要はありませんが、書くときに効くものを抜き出すと次のようになります。

要求事項(抜粋)書くときに何を見るか
正確で、誤解を与えないものであること一文ずつ事実でも、読後の印象がずれるなら書き直す
実証されていて、検証可能であること手元に根拠資料があるか。無いなら書かない
適切な状況又は条件下に限って用いること条件を落として一般化していないか
製品全体か、部品・包装か、サービスの要素かを明示「この製品は」と書けるのはどの範囲か
関係する事実を省略して誤解させないこと都合の悪い条件を落としていないか
説明文は適切な大きさで、環境主張に隣接すること注記を欄外の小さな文字にしていないか
第三者機関の保証をほのめかさないこと自社基準を認証のように見せていないか
状況の変化を反映して再評価・更新すること古いページを放置していないか

とくに効くのは「表現上は真実である主張であっても、関係する事実を省略することによって、購入者が誤解するか又は誤解しやすいものであれば、これを行ってはならない」という項目です※1。一文ずつは嘘でなくても、条件を落とすと全体として誤解を生む——環境訴求でいちばん起きやすいのがこれです。

もうひとつ、説明文の置き場所にも要求があります。「環境主張及び説明文は、一緒に読まれるように明確に提示しなければならない。説明文は、適切な大きさで、かつ、環境主張に隣接していなければならない」※1大きな文字でうたい、条件は欄外に小さくという作り方は、この要求に反します。表示スペースが限られる場合は、二次元コードなどで詳細情報に容易にアクセスできるようにする方法も示されています※1

「著しく優良」は、表示全体から判断されます

ここから景品表示法です。優良誤認表示は、商品・サービスの内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示や、事実に相違して競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示を指します※2

判断のしかたに、実務上とても重要な特徴が2つあります。

  • 判断の主体は一般消費者です。運用指針は、「著しく優良であると示す」表示に当たるか否かは、業界の慣行や表示を行う事業者の認識により判断するのではなく、表示の受け手である一般消費者に「著しく優良」と認識されるか否かという観点から判断されるとしています※3。業界では通じる言い回しでも、消費者にどう伝わるかで判断されます。
  • 判断の対象は表示全体です。同指針は、「表示上の特定の文章、図表、写真等から一般消費者が受ける印象・認識ではなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が基準となる」としています※3

後者は、環境訴求では決定的です。正確な注記を1行入れておけば安全、とはなりません。大きな見出し、写真、イラスト、認証マーク——それらを合わせて受け取られる印象が基準になるからです。

なお「著しく」とは、当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいう、とされています※3。多少の言葉の綾までが問題になるわけではありませんが、その線引きは受け手側の認識で決まる、という点は変わりません。

根拠の持ち方 — 不実証広告規制と「合理的な根拠」の2要件

環境訴求のうち、効果・性能に関する表示には不実証広告規制が関わります。消費者庁長官は、優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が資料を提出しないときは、当該表示は優良誤認表示とみなされます※2

運用指針は、その前提として「そのような表示を行う事業者は、当該表示内容を裏付ける合理的な根拠をあらかじめ有しているべきである」としています※3あらかじめ、が要点です。

「合理的な根拠」と認められるための2要件※3
① 提出資料が客観的に実証された内容のものであること
 (試験・調査によって得られた結果/専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献)
② 表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

①について、指針は、試験・調査の方法は表示された効果・性能に関連する学術界又は産業界において一般的に認められた方法、又は関連分野の専門家多数が認める方法によって実施する必要があるとしています※3

実務で落ちるのはです。指針は、資料自体が客観的に実証された内容であっても、表示との対応がずれていれば根拠として認められないとし、例として特定の高性能エンジンオイルについて燃費が10%向上することを確認した試験結果をもって、あらゆる種類のエンジンオイルに対して10%の燃費向上が期待できると表示していた事例を挙げています※3

この構造は、環境訴求にそのまま当てはまります。特定の条件で得られた試験結果を、条件を書かずに一般化すると、②で落ちます。ここでいう「表示された効果、性能」とは、文章、写真、試験結果等から引用された数値、イメージ図、消費者の体験談等を含めた表示全体から一般消費者が認識する効果、性能である、とも書かれています※3

提出期限にも注意が要ります。資料の提出期限は、原則として提出を求めた日から15日後とされ、新たな又は追加的な試験・調査を実施する必要があるといった理由は、期限延長の正当な事由とは認められないとされています※3。求められてから測る、では間に合いません。

実際に問題になった表示 — 令和4年12月の措置命令から

抽象論だけでは伝わりにくいので、公表されている事例を見ます。令和4年12月23日、消費者庁は、生分解性をうたうカトラリー・ストロー・カップ等の販売事業者2社と、ゴミ袋・レジ袋の販売事業者2社に対し、景品表示法第5条第1号(優良誤認)に該当する行為が認められたとして、それぞれ措置命令を行ったことを公表しています※4※5

公表資料に記載された表示の例には、次のようなものがあります。

  • 「堆肥化可能な生分解性PLAを使ってのカトラリーは約三か月で土に還ります」※4
  • 水の上に植物の葉がある画像と共に「PLA 環境にやさしい 海に還る生分解性」※4
  • 「PLA+PBAT ポリ乳酸 環境に優しい 完全生分解性プラ 脱プラ対策」※5
  • 「埋め立てたり投棄されても、微生物が食べて分解してくれるので、ゴミとしてたまることがない」※5

消費者庁は、これらの表示により、あたかもその商品が「使い捨てられても約3か月で土や海に還る生分解性」「投棄され又は埋め立てられても自然環境中で微生物によって水と二酸化炭素に分解される生分解性」を有するかのように示す表示をしていた、と整理しています※4※5

そのうえで景品表示法第7条第2項に基づき資料の提出を求めたところ、資料は提出されたものの、いずれも当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであったと記載されています※4※5

ここから読み取れることは3つです。

  • 根拠資料は「出せばよい」ものではありません。提出はされていました。問われたのは、表示との対応です。
  • 具体的に書くほど、その具体性がそのまま立証の対象になります。「約3か月」「土に還る」「海に還る」——数字と場所を書けば、その数字と場所について根拠が要ります。
  • 素材名も画像も表示の一部として読まれます。公表資料には、葉の画像と組み合わせた表示が具体的に記録されています※4

認証マークがあっても、表示の射程がずれれば足りません

前節の事例には、実務上とくに重い含意があります。公表資料によれば、ゴミ袋等の事例では、米国の生分解素材認証機関(BPI)によるコンポスト認証のマークと、欧州の認証機関(TÜV AUSTRIA)による「OK compost HOME」の認証マークが表示されていました※5。しかも同じページには、「生分解の速度は環境(温度・湿度・微生物)の影響で変わります。」という記載もあったことが記録されています※5

それでも、表示全体としては投棄・埋立てを含む自然環境中での分解を示すものと整理され、措置命令の対象となりました※5

認証と表示の関係
認証が保証しているのは認証の対象となった条件であって、こちらが書きたい範囲ではありません。
コンポストでの分解を証明する認証は、コンポスト以外での分解を証明しません。
注記を1行添えても、表示全体の印象がそれを打ち消していれば、注記があったことは決め手になりません※3

実務としては、認証書を受け取ったら「何を、どの条件で、どこまで証明しているのか」を書き出すところから始めてください。そのうえで、表示の文言がその範囲に収まっているかを一行ずつ照合します。認証の有無ではなく、認証の射程と表示の射程が一致しているかが問われます。

照合の手順は、次のように固定しておくと崩れません。

1認証書の射程を書き出す
2表示案の主張を一行ずつ並べる
3射程外の行に印を付ける
4印の行を削るか条件を足す

なお、以上はいずれも公表資料に基づく整理であり、個別の表示が違反にあたるかどうかは事案ごとの判断になります※3。自社の表示について判断がつかない場合は、専門家に確認してください。

第三者認証・識別表示と、自己宣言の線引き

環境表示には大きく2つの系統があります。第三者機関が基準を定めて審査する認証と、事業者が自らの責任で行う自己宣言です。環境表示ガイドラインは、認証については第三者機関が国際規格に基づく認証プログラムにより運営しているとして、主に自己宣言による環境主張について要求事項を説明しています※1

プラスチック素材の分野では、一般社団法人日本バイオプラスチック協会(JBPA)が識別表示制度を運営しています※6。表示をつくる立場で押さえておきたいのは、次の点です。

  • マークは申請すれば付くものではありません。JBPAは、認定を受ける企業は協会の会員(正会員・賛助会員・マーク会員)である必要があるとし、ポジティブリストへの材料登録には正会員又は賛助会員の資格が必要としています※6
  • 審査を経ます。申請は毎月開催される審査部会に上程され審議される、と説明されています※6
  • 制度ごとに基準が違います。各制度の基準値や試験の考え方はバイオプラスチックの種類と選び方で整理しています。表示を書く側は、どの制度の認定なのかを明示するところまでが仕事です。

逆に、自社で作ったマークを使う場合には注意が要ります。ISO/JIS Q 14021 は、製品が独立した第三者機関によって保証又は証明されていないにもかかわらず、そのことをほのめかすような表現をしてはならないとしています※1。環境表示ガイドラインは、事業者独自のラベル等が第三者機関による認定・推奨のラベルと混同されないよう、当該ラベル等に付随して表示主体(事業者名、団体名)を付記することが望ましいとしています※1

また、認証制度ではなく民間団体・非営利組織等が設定する基準を満たした場合に使えるシンボルマークについても、当該基準への適合性評価は事業者等の責任の下、自己適合宣言により行われる必要があるとされています※1。マークが付いていても、根拠を持つのは自社だ、ということです。

シンボルマークを使うときは、マークの近傍又は消費者が認識しやすい箇所に説明文(マークの意味、使用基準等)を表示すること、又は説明文の内容をウェブサイト等で容易にトレースできることが望ましいとされています※1。マークだけを並べると、この要求から外れます。

写真・イラスト・シンボルも「表示」のうち

文言だけを直しても、ビジュアルが残っていれば印象は変わりません。ISO/JIS Q 14021 は、シンボルの使用について「自然物は、主張する便益との間に直接的、かつ、検証可能なつながりがある場合に限り使用できる」と定めています※1

環境表示ガイドラインは、動植物等の自然物や地球をシンボルマークのように用いたデザインは、それが環境ラベルなのか否かの区別がつけにくく消費者を混乱させる可能性が高いとして、製品本体及び包装等に、消費者に環境表示と混同させるような自然物を示すデザインは避けることが必要としています※1

環境マネジメントシステムの実施を表明するためのシンボルについても、製品の環境側面を示すシンボルであると誤解されるような方法で使用してはならないとされています※1。会社としての取り組みと、その製品の性能は別だからです。

要素ありがちな使い方見直しの観点
葉・芽・木のイラスト商品名の横に小さく添える主張する便益と直接的・検証可能なつながりがあるか
地球のマークパッケージ全面に配置する第三者認証のラベルと誤認されないか
土や海の写真「還る」イメージの演出に使う確認された分解環境と一致しているか
自社デザインのマーク円形+英字で認証風にする表示主体(自社名・団体名)が併記されているか
マネジメント認証のロゴ製品ページに掲載する製品の環境性能を示すものと誤解されないか

ISO/JIS Q 14021 は、環境主張ではない目的に用いる言葉、数字又はシンボルを、環境主張を行っていると誤解を与えるような方法で用いてはならないとも定めています※1。素材の識別記号や取扱いの表示を、環境性能の訴求のように見せる配置は避けてください。

この観点はデザインの発注段階で共有しておかないと、文言を直しても入稿直前にビジュアルで元に戻るということが起こります。

環境配慮の表示を表すイメージ。透明な薄いフィルムが波打ちながら広がっている様子

「生分解性」「バイオマス」「再生材」を書くときの型

用語ごとの書き方に入ります。ISO/JIS Q 14021 は、環境表示に広く用いられる16の用語について、その解釈や使用する際の条件等を定義しています。「コンポスト(堆肥)化可能」「分解可能」「リサイクル可能」「リサイクル材料含有率」「再生可能材料」「持続可能」などが含まれます※1

「分解可能」について。環境表示ガイドラインは、この用語が生分解性や光分解性などすべての種類の「分解」を主張する場合に適用されると説明したうえで、実際に特定の試験方法によって「分解」されることが実証されている場合でも、分解のプロセスを通じて環境に有害な濃度の物質が排出される場合は、この主張を行うことはできないとしています※1分解することの実証だけでは足りない、という条件が付いています。

実務としては、生分解性について書くときに4点が揃っているかを確認してください。

生分解性を書くときに揃える4点
(1) どの環境で分解するのか(コンポスト/土壌/水系/海洋など)
(2) どの試験で確認したのか(規格の番号まで)
(3) どの程度分解したのか(生分解度)
(4) どのくらいの期間で確認したのか
どれかが空欄なら、その部分は書けません。試験と規格の中身はバイオプラスチックの種類と選び方で扱っています。

「バイオマス」「再生材」など、含有率に関わる表示について。環境表示ガイドラインは、再生資源材料の使用を主張する表示を例に、使用割合が明確に示されていないと消費者は一部にかかるものなのか100%なのか判断できないとして、使用割合を明確に示すとともに、百分率で示す際の分母が商品全体量か素材使用量のどちらにかかるのかを明確に示す必要があるとしています※1

「植物由来素材使用」とだけ書くと、この分母が分かりません。何に対する何%なのかまで書くのが型です。あわせて、主張が製品全体に対するものか、部品や包装だけに対するものかを明示することも要求されています※1。包装だけがバイオマス由来なのに製品全体の話に読める書き方は、ここに触れます。

もうひとつ、マスバランス方式で配分された環境価値を表示する場合の注意もあります。ガイドラインは、この方式は実配合率と一致しない等、実際の利用と比べて環境価値が一見して分かりにくい特性があるため、製品特性に応じた適切な表示・コミュニケーションを行う必要があるとしています※1

「カーボンニュートラル」「CO2削減」は、別のルールで書きます

温室効果ガスに関する主張は、扱いが分かれます。環境表示ガイドラインは、カーボンフットプリント(CFP)の主張については ISO/JIS Q 14021 ではなく「カーボンフットプリント表示ガイド」(環境省・経済産業省)やISO 14067に準拠する必要があるとし、カーボン・オフセットの主張についても、環境省の「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)-第4版-」及び「カーボン・オフセット ガイドライン Ver.3.0」やISO 14068-1などの適切なISO規格に従って表示することが必要としています※1

オフセット指針が挙げる考え方のうち、表示に直結するのは「カーボン・オフセットが、自ら排出削減を行わないことの正当化に利用されるべきではないこと」です※1自らの削減の取り組みを示さずにオフセットだけを打ち出すと、この考え方から外れます。

比較して書く場合にも、具体的な要求があります。ISO/JIS Q 14021 の比較主張に関する規定は、次のとおりです※1

論点要求されていること
比較の対象組織自身の以前の工程・製品、又は他の組織の工程・製品に対する評価であること
比較の相手現在又は最近同じ市場にあって、類似の機能をもつ比較可能な製品に対してだけ比較する
数値の揃え方同じ測定単位で数値化し、同じ機能単位に基づき、適切な期間(典型的には12ヶ月)で計算する
絶対値と相対値絶対値による差の主張と相対値による差の主張とは、明確に区別することが望ましい
製品と包装製品に関係する改善と包装に関係する改善とは別個に主張し、合計してはならない

環境表示ガイドラインは、比較主張について自社製品との比較か、他社製品との比較か、業界平均との比較かが明確であること、比較対象は原則として同等クラスのものであり、品名・型名を明示していることが必要としています※1。「従来品比」とだけ書くのは、この要求を満たしません。非常に古い製造年次の製品と比較している場合には、その比較に合理的な理由があるかが問題になる、とも述べられています※1

評価や検証の方法にも優先順位があります。ISO/JIS Q 14021 は、国際規格、国際的に受入可能で承認された規格、ピアレビューされた産業又は通商上の方法の順とし、既存の方法がなく主張者が方法を制定した場合は、ピアレビューが可能でなければならないとしています※1。自社独自の計算式で出した数字をそのまま出すのは、この点で弱くなります。

サプライヤーへ確認すること — もらう資料と、聞き方

素材を仕入れて売る立場では、根拠は自社の外にあります。ここについて、不実証広告規制の運用指針に、実務でとても重要な記述があります。

販売業者が自ら実証試験・調査等を行うことが常に求められるものではなく、製造業者等が行った実証試験・調査等に係るデータ等が存在するかどうか及びその試験方法・結果の客観性等の確認を販売業者が自ら行ったことを示す書面等を当該表示の裏付けとなる根拠として提出することも可能である※3

つまり、自社で試験をやり直す必要は必ずしもない一方、「確認したこと」は自社が書面で残すという整理です。口頭で聞いた、では残りません。

確認する項目聞き方もらう形
試験の有無その主張を裏付ける試験結果はありますか試験成績書の写し
試験機関どこで実施しましたか機関の名称と所在地が分かるもの
試験方法どの規格の、どの試験方法ですか規格番号が記載された書面
試験条件温度・水分・期間などの条件は何でしたか条件が明記された報告書
適用範囲この結果はどの品番・ロットに及びますか対象範囲が特定できる書面
原料の構成含有率は何%で、分母は何ですか原料証明書・配合の資料
認証認証がある場合、何をどの条件で証明するものですか認証書と、その認証の基準
更新の連絡内容が変わったら知らせてもらえますか契約・覚書での取り決め

環境表示ガイドラインは、実証について「合理的な根拠やデータ等は、原則として、主張の実証に必要な情報が網羅されている必要があり、試験成績書やサプライチェーンの川上の取引先等から取得したサプライヤー証明(原料証明書、納品書等)等がこれに該当し得る」としています※1。もらう資料の種類は、ここに沿って揃えるのが早道です。

保存にも要求があります。ISO/JIS Q 14021 は、評価を完全に文書化し、製品が市場で売られている期間及びその後製品の寿命を考慮した合理的な期間、保持しなければならないとしています※1。担当者の個人フォルダに置いたままにすると、異動で失われます。

さらに、企業秘密を理由に検証できない主張はできません。ISO/JIS Q 14021 は「自己宣言による環境主張は、企業秘密情報を要せずに検証可能である場合だけ検証可能と見なされる。企業秘密情報によってだけ検証可能であるときは、主張を行ってはならない」としています※1。サプライヤーが「詳細は開示できない」と言う部分は、そのまま書けない部分になると考えてください。

環境配慮の表示を表すイメージ。白い容器のサンプルを手に取り、二人で検討している場面

社内のチェック体制 — 誰が何を確認して出すか

景品表示法は、事業者に対し、不当な表示等を未然に防止するために必要な措置を講じることを求めています。その内容は「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」に整理されており、7つの事項が示されています※7

#指針が示す措置環境訴求での具体化
1景品表示法の考え方の周知・啓発制作・営業・広報に、環境表示の注意点を共有する
2法令遵守の方針等の明確化使ってよい表現・使えない表現を手順として明文化する
3表示等に関する情報の確認表示の根拠となる情報を、出す前に確認する
4表示等に関する情報の共有調達が持つ根拠を、販促・広報が見られるようにする
5表示等を管理するための担当者等を定めること環境訴求を最終確認する担当を決める
6根拠となる情報を事後的に確認するための措置根拠資料と表示物をひも付けて保管する
7不当な表示等が明らかになった場合の迅速かつ適切な対応見つかったときの手順を、先に決めておく

3の「確認」の程度についても記述があります。指針は、小売業者が商品の内容等について積極的に表示を行う場合、直接の仕入れ先に対する確認や商品自体の表示の確認など、事業者が当然把握し得る範囲の情報を表示内容等に応じて適切に確認することは通常求められるが、全ての場合について商品の流通過程を遡って調査を行うことや、商品の鑑定・検査等を行うことまでを求められるものではないとしています※7。求められる水準は、無限ではありません。

5の担当者については、次の事項を満たすこととされています※7

  • 自社の表示等に関して監視・監督権限を有していること
  • 表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、その事業者が作成する表示等に関して指示・確認権限を有していること
  • 複数存在する場合、それぞれの権限又は所掌が明確であること
  • 景品表示法の研修を受けるなど、一定の知識の習得に努めていること
  • 社内等において周知する方法が確立していること

専任である必要はありません。指針は、一般的な法令遵守等の担当者又は担当部門がその業務の一環として表示等の管理を行うことが可能な場合には、それらを表示等管理担当者に指定することで足りるとし、小規模企業者やその他の中小企業者では、代表者が表示等を管理している場合には代表者をその担当者と定めることも可能としています※7

4の情報共有も、環境訴求では要になります。指針は、不当表示等は企画・調達・生産・製造・加工を行う部門と、実際に表示等を行う営業・広報部門等との間における情報共有が希薄であることや、複数の者による確認が行われていないことなどにより発生する場合があると述べています※7。根拠資料は調達が持ち、文言は販促が書く——この分断が、そのまま原因になります。

制作を外部に委ねる場合も、指針はその事業者に対しても、業務に応じた周知・啓発や、法令遵守の方針等の明確化を行うことを求めています※7。制作会社に丸ごと任せた結果として出た表現も、供給する事業者の表示です。

ありがちな表現と、書き換えの型

ここまでの内容を、実際に手を入れる形に落とします。

見かける表現どこが危ないか書き換えの方向
「環境にやさしい素材です」単独では使えない表現の例示に含まれる※1何がどう改善されるのかを具体的に書き、説明文を隣接して置く
「自然に還ります」分解の環境と条件が示されていない確認された環境・試験・生分解度・期間を揃えて書く
「土に還る」「海に還る」具体的なほど立証の対象が広がる※4確認された環境の範囲を超えない。回収が原則である旨を併記する
「サステナブルな製品」「持続可能」は主張しないこととされている※1具体的な環境側面の話に言い換える
「植物由来素材使用」含有率と、その分母が不明何に対する何%かを明示する
「従来品より環境負荷を低減」比較対象と算定の根拠が不明比較対象の品名・型名と、測定の単位・期間を示す
「石油を使っていません」もともと含まないことの主張になっていないか※1該当する場合は主張しない。禁止物質なら、その旨も併記する
「カーボンニュートラルな製品」別のガイド・規格の対象になる※1該当するガイドに従い、算定の範囲と自らの削減の取り組みを併記する
認証マークの単独掲載認証の射程が伝わらない何を、どの条件で証明する認証かを併記する
小さな注記での条件記載説明文は主張に隣接し、適切な大きさで※1主張と同じ場所に、読める大きさで置く

書き換えのコツは、形容詞を減らして、名詞と数値を増やすことです。「やさしい」「クリーン」「サステナブル」を削り、代わりに何が、どの条件で、どれだけを入れる。これだけで、大半の表現は要求事項の側に寄ります。

そして、根拠が揃っていない部分は書かないのが正解です。空欄のまま出すほうが、埋めて出すより安全です。強い言葉を1つ削っても売れ行きは大きく変わりませんが、根拠のない1行は、あとから全媒体の修正を呼びます。

訂正が必要になったときの対応

公開後に根拠の不足が分かることはあります。そのときの対応も、あらかじめ決めておきます。管理上の措置の指針は、景品表示法違反又はそのおそれがある事案が発生した場合の措置として、次の3つを挙げています※7

事案が発生した場合に講じる措置※7
(1) 当該事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること
(2) (1)における事実確認に即して、不当表示等による一般消費者の誤認排除を迅速かつ適正に行うこと
(3) 再発防止に向けた措置を講じること

重要なのは、指針が「不当表示等を単に是正するだけでは、既に不当に誘引された一般消費者の誤認がなくなったことにはならずに、当該商品又は役務に不当表示等があった事実を一般消費者に認知させるなどの措置が求められる場合がある」と述べている点です※7ページを黙って直すだけでは足りない場合があるということです。

実際、令和4年の措置命令でも、命じられた内容には当該表示を速やかに取りやめること、当該表示が景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じて役員及び従業員に周知徹底すること、今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく同様の表示を行わないことが含まれています※4※5

社内で先に決めておくのは、次の4点です。

  • 誰が止める権限を持つか。公開中の表示を止める判断を、誰がどの手続きで行うか。
  • どこまで探すか。同じ文言が使われている媒体を洗い出す範囲。先に挙げた「単独では使えない言葉」の一覧が、ここで効いてきます。
  • どう伝えるか。単に削るのか、訂正を告知するのか。判断の基準を決めておきます。
  • 誰に相談するか。消費者庁の相談窓口や、弁護士等の専門家。連絡先を手順書に書いておきます。

ISO/JIS Q 14021 にも、主張は「主張の正確さに変更をもたらすような技術、競合製品、その他の状況の変化を反映するように、必要に応じて再評価し、更新しなければならない」という要求があります※1一度書いた表示は、放っておくと古くなります。年に一度は、表示と根拠資料を突き合わせる作業を業務に組み込んでおくのが確実です。

認証がない素材を、どう書くか

最後に、実務でいちばん多い状況を扱います。採用したい素材に、まだ第三者認証がない場合です。

結論から言えば、認証がなくても表示自体は可能です。ISO/JIS Q 14021 は自己宣言による環境主張の規格であり、第三者による認証を前提としていません※1。ただし、認証がない分だけ、根拠を自社で用意し、検証できる状態にしておく責任が重くなります。そして、認証が無いことを補うために言葉を強めるのは、逆方向の対処になります。

書き方の順序は、次のように固定しておくと安全です。

1手元の根拠を並べる
2言い切れる範囲を確定する
3その範囲だけで文言を書く
4説明文を隣接して置く

そして、言えないことは「これから確かめる」と書く。検証中であると書くことは、効果を断定することとは別です。分かっていないことを分かっていないと書けるかどうかが、環境訴求では信頼の分かれ目になります。

UNPLACEDは、バングラデシュ生まれのジュート(黄麻)由来バイオプラスチック「ソナリ」について、調達支援・共同実証・製品企画を、日本の企業・自治体向けに行っています。ソナリはジュートのセルロースからつくられた生分解性のバイオプラスチックで、従来のポリ袋に代わる素材として国際的に注目され、「ゴールデンバッグ」「ジュートポリマー」とも呼ばれます。原料のジュートは、栽培に化学肥料や殺虫剤をほとんど必要としない再生可能な植物繊維です。

この記事で書いてきたとおり、素材の性質をどう表示するかは、手元の根拠資料の範囲に従います。当社としては、分解の日数といった数値を訴求の先頭に置くのではなく、想定する使用環境と排出先を確認したうえで、共同実証を通じて確かめたことから書くという進め方をとっています。用途としては、レジ袋・ごみ袋・農業資材・ノベルティなどを扱っています。価格・供給条件は用途と数量により異なるため、サンプル提供からのスモールスタートに対応しています。

素材の切り替えを対外的に発表する場面はプレスリリースの書き方と配信設計、方針を調達基準の条文に落とす手順はサステナブル調達と企業の環境対応、制度面の全体像はプラスチック資源循環促進法と事業者の対応で扱っています。書く順序を変えるだけで、防げる事故はかなりあります。

よくある質問

環境省の環境表示ガイドラインは、この表現を「自己宣言による環境主張に使用できない表現」の例として挙げています。ただし完全な禁止ではなく、あいまいな表現は行わないか、行う場合は単独では行わず必ず合理的な説明文を付けることが求められる、という整理です。何がどう改善されるのかを具体的に添えて書いてください。

「グリーンウォッシュ」という語そのものを定義した法律はありませんが、環境に関する表示が、商品の内容について実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示すものであれば、景品表示法の優良誤認表示に該当するおそれがあります。該当するかどうかは事案ごとの判断になるため、迷う場合は消費者庁の相談窓口や弁護士等の専門家に確認してください。

認証が証明しているのは認証の対象となった条件であって、こちらが書きたい範囲ではありません。令和4年12月に公表された措置命令の事例では、海外のコンポスト認証のマークが表示されていたにもかかわらず、表示全体としては自然環境中での分解を示すものと整理され、命令の対象になっています。認証の射程と表示の射程が一致しているかを確認してください。

消費者庁の運用指針は、(1)提出資料が客観的に実証された内容のものであること、(2)表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること、の2つの要件を挙げています。(1)は試験・調査によって得られた結果、又は専門家等の見解・学術文献が該当します。実務で落ちやすいのは(2)で、特定の条件で得た結果を条件抜きで一般化すると対応がずれます。

運用指針は、販売業者が自ら実証試験・調査等を行うことが常に求められるものではないとし、製造業者等が行った試験のデータ等が存在するかどうか、その試験方法・結果の客観性等の確認を販売業者が自ら行ったことを示す書面等を、裏付けとなる根拠として提出することも可能としています。確認した記録を自社で書面に残すことが要点です。

ISO/JIS Q 14021は、評価を完全に文書化し、製品が市場で売られている期間及びその後製品の寿命を考慮した合理的な期間、保持しなければならないとしています。景品表示法の管理上の措置の指針も、表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために、資料の保管等必要な措置を採ることを求めています。担当者の個人フォルダではなく、共有の場所に置いてください。

環境表示ガイドラインは、景品表示法の対象となる環境表示に加え、商品又は役務の取引に直接的な関係のない環境表示(事業活動、イメージ広告、企業姿勢等)も適用範囲に含めています。商品ページだけでなく、会社案内や採用向けの資料、展示会のパネルまで同じ考え方で見直すのが安全です。

景品表示法の管理上の措置の指針は、表示等を管理する担当者又は担当部門をあらかじめ定めることを求めています。専任である必要はなく、一般的な法令遵守の担当がその業務の一環として行うことも可能で、小規模企業者等では代表者を担当者と定めることもできるとされています。自社の表示に対する監視・監督権限があること、外部に制作を委ねる場合は指示・確認の権限があることが要件です。

指針は、事実関係を迅速かつ正確に確認すること、一般消費者の誤認排除を迅速かつ適正に行うこと、再発防止に向けた措置を講じることを挙げています。あわせて、単に是正するだけでは既に不当に誘引された一般消費者の誤認がなくなったことにはならず、不当表示等があった事実を一般消費者に認知させる措置が求められる場合があるとしています。黙って差し替えるだけで足りるとは限りません。

環境表示ガイドラインは、カーボンフットプリントの主張についてはISO/JIS Q 14021ではなく「カーボンフットプリント表示ガイド」(環境省・経済産業省)やISO 14067に準拠する必要があるとし、カーボン・オフセットの主張についても環境省のオフセット指針やISO 14068-1などの適切なISO規格に従うことが必要としています。オフセットが自ら排出削減を行わないことの正当化に利用されるべきではない、という考え方も示されています。

参考文献

  1. ※1 環境表示ガイドライン(令和8年3月改定) 環境省(2026.08.03確認)
  2. ※2 優良誤認とは(表示規制の概要) 消費者庁(2026.08.03確認)
  3. ※3 不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針-不実証広告規制に関する指針- 消費者庁(2026.08.03確認)
  4. ※4 カトラリー、ストロー、カップ等の販売事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について(令和4年12月23日) 消費者庁(2026.08.03確認)
  5. ※5 ゴミ袋及びレジ袋の販売事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について(令和4年12月23日) 消費者庁(2026.08.03確認)
  6. ※6 識別表示制度(バイオマスプラ/生分解性プラ/海洋生分解性プラ) 一般社団法人日本バイオプラスチック協会(2026.08.03確認)
  7. ※7 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(令和4年6月29日改正) 消費者庁(2026.08.03確認)

Author

株式会社UNPLACED

「場所にとらわれず、居場所をつくる。」を理念に、企業向けのAI基礎研修・AIコンサルティング、ジュート由来の生分解性プラスチック「ソナリ」、ワークマネジメントサービス「OginAI」を提供しています。人手不足・DX・環境対応という経営課題に向き合う企業と伴走します。

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